カラーをする時間を、毛先を整える時間へ。カラサポ独自ハーブカラー配合の考え方【中津市】

ラフェ・クレールでカラーをしたお客様から、なぜか髪がサラサラになると感じていただくことがあります。色だけでなく、触れたときの違いにも気づいていただけるのは、美容師としてうれしいことです。

その背景には、毛先に必要以上の脱色を繰り返さないこと、ハーブカラーの特性を生かすこと、独自のトリートメント水と施術設計を組み合わせることが関係していると考えています。

大分県中津市のラフェ・クレールでは、髪質改善カラー「カラサポ」を通して、カラーをする時間そのものを、これからの毛先を考える時間にしたいと思っています。今回は、サラサラ感や艶・まとまりを大切にする理由を、日々の接客経験と毛髪の仕組みからお話しします。

茶色のロングヘアと、酸化処理・処理環境・補修保護・艶について示したカラサポの説明図
カラサポの考え方を表したAI生成の説明用イメージです。実際のお客様の髪や施術結果を撮影した写真ではありません。図の考え方を、本文では3つの工夫に整理しています。

先に答え|サラサラ感には、髪の表面と施術の組み合わせが関係します

指がすっと通ること、毛先がやわらかく感じられること、乾かした髪がまとまること。お客様が感じる「サラサラ」は、こうしたいくつかの感覚が重なったものだと思います。

髪の外側には、うろこ状に重なる「キューティクル」があります。花王の毛髪構造の解説や毛髪表面の補修技術に関する研究紹介では、表面の状態がなめらかさや指通りに関わることが説明されています。表面をコンディショニングし、髪同士の摩擦や引っかかりを抑えることは、扱いやすさを考えるうえで大切です。

手触りと艶は、つながっていても同じものではありません

艶は光の反射によって見えます。花王の「髪のツヤ」の解説によると、表面がなめらかで毛流れがそろうと、反射光がきれいに並びます。乾かし方や髪のうねりも、艶の見え方に関わります。

だから当店では、色の仕上がりと一緒に、指通りや毛先の収まりも見ています。カラー剤だけでなく、髪の状態に合わせた塗り分け、補修・保護、仕上げまでをひと続きの施術として考えています。

理由①|必要以上の脱色を毛先へ繰り返さない

アルカリカラーは、髪を明るくできる大切な技術です

一般的なアルカリカラーは、染料やアルカリ剤を含む1剤と、過酸化水素を含む2剤を混ぜて使います。アルカリ剤が髪を膨らませて成分を入りやすくし、過酸化水素が髪の色素であるメラニンを脱色すると同時に、染料の発色を助けます。

これは、黒い髪を明るくしながら好みの色を表現できる、有用な仕組みです。ラフェ・クレールでも、根元に明るさが必要なときなどにはアルカリカラーを使っています。仕組みは日本化粧品工業会のヘアカラー解説、1剤・2剤の構成や毛髪への影響はデミ コスメティクスの研究紹介でも確認できます。

根元と毛先では、今回必要な仕事が違います

一方、以前のカラーで十分に明るくなった毛先を、少し落ち着いた色にしたい場合はどうでしょう。必要なのは、さらに明るくすることよりも、今ある明るさを利用して色味や濃さを整えることです。

明るくする必要がある部分には、そのためのカラーを。色を補うことが必要な部分には、その目的に合ったカラーを。この使い分けがカラサポの土台です。毛先に脱色を伴う酸化処理を重ねすぎない選択が、これからの手触りを大切にすることにつながると考えています。

カラサポ公式サイトでも、繰り返すカラーによる毛先の負担への問題意識と、根元のアルカリカラー・毛先のハーブカラーを組み合わせる考え方を紹介しています。希望色、現在の明るさ、過去の施術履歴をもとに配合を考え、その判断を再現しやすくする仕組みまで含めたものがカラサポです。

塗り分けの具体例は、白髪染めで根元と毛先の薬剤を使い分ける理由でもご紹介しています。

理由②|ナチュラルハーブカラーで毛先のコンディションも考える

当店が毛先の色を整える選択肢として使うナチュラルハーブカラーは、粉末タイプの染毛剤です。複数の色を組み合わせて、お客様の希望と今の髪色に合わせた色を作ります。

メーカー公式の製品説明では、アルカリ剤・過酸化水素を使用せず、植物性タンパク質による毛髪ケアや、ハーブによるうるおい・ツヤへの配慮が紹介されています。当店はこの製品の特徴を、毛先を染めながらコンディションも考えるために生かしています。

ただし、髪を脱色して明るくする「トーンアップ」はできません。これは、明るさが足りている毛先の色を整えたい場面では選ぶ理由になりますが、これから明るくしたい髪には別の方法が必要です。

一般的なアルカリカラー、ナチュラルハーブカラー、カラサポは、同じ種類のものを並べた優劣の比較ではありません。前の2つは染毛剤の特徴、カラサポはそれらを髪の場所や状態に合わせて組み合わせる施術の考え方です。

理由③|ラフェ・クレールは、混ぜる水と施術全体にこだわっています

接客の中で驚いたのは、当店のカラーも、チューブからカラー剤を出して混ぜるだけだと思われているお客様が多かったことです。普段見えにくい調合の工程までは、十分にお伝えできていなかったのだと思います。

実際には、毛先に使うハーブカラーの色を粉末から組み立て、水分を加えて塗りやすいペースト状にしています。カラサポには通常の配合に加え、当店で「再生カラー」と呼んでいる独自配合があります。この独自配合では、粉末に加える水分にも、当店独自のトリートメント水を使っています。

ボウルの粉末に透明な水分を注ぎ、横に複数の粉末と刷毛を置いた調合イメージ
粉末へ水分を加える工程のAI生成イメージです。実際の使用材料や当店独自のトリートメント水を撮影した写真ではありません。

なお、メーカーの標準レシピも専用のO2ウォーターを使う設計です。一般的なハーブカラーは必ず水道水で作る、という意味ではありません。メーカーの製品設計と、当店独自のトリートメント水・施術上の工夫は分けてお伝えしています。

当店が大切にしているのは、色を作る工程から、指通り・やわらかさ・まとまりにも向き合うことです。複数の補修・保護の要素を組み合わせ、摩擦や引っかかりが気になる毛先のコンディションを整えることを目指しています。水だけをサラサラ感の原因と考えるのではなく、薬剤の選択や塗り分けと合わせて設計しています。

この独自配合は、色がきれいに出るか、仕上がりが硬くならないか、柔らかさや艶はどうか、繰り返し施術した毛先はどう変わるかを見ながら工夫してきました。大切なのは、成分の名前よりも、染めた色を楽しみながら毎日の髪を扱いやすくしていくことです。

ダメージ履歴のある毛先を、処理環境から考える

この独自配合では、毛先を毛髪に配慮した弱酸性領域で扱う設計も大切にしています。pHは酸性・アルカリ性の度合いのことです。ブリーチ毛を異なるpH環境で比較した2020年の毛髪研究では、条件によってタンパク質の状態や水分の取り込み方などが変わることが報告されています。これは、毛先を扱う環境にも目を向けるための一般的な知見です。

調合の工程については、ラフェ・クレールが「混ぜる水」にまでこだわる理由で詳しくご紹介しています。

言葉だけでは伝わりにくかった、カラーの工夫

当店のカラーをよく理解してくださっていた常連のお客様が、博多へ引っ越されたことがありました。移転先の美容室で当店のカラーについて説明したものの、うまく伝わらず、信用してもらえなかったと感じた、というお話を伺いました。

そのお話から私が感じたのは、施術方法を言葉だけで伝える難しさです。「ハーブカラーを使う」「トリートメントを混ぜる」という説明だけでは、どの部分に何を使い、今の明るさや履歴をどう見ているのかまでは伝わりません。

美容師によって扱う薬剤や施術の組み立て方はさまざまです。だからこそ、当店でも仕上がりを感じていただくだけでなく、何を大切にしているのかを分かりやすくお伝えしたいと思いました。

「トリートメント付きカラー」との違いは?

トリートメントによる指通りやまとまりのケアも大切です。そのうえでカラサポでは、まず今回の髪に必要なカラー処理を見極めます。不要な負担を増やさない工夫と、毛先を整える工夫を一緒に考える。そこを施術の出発点にしています。

毛髪研究と、当店での施術経験の関係

この記事の毛髪研究は、手触りや艶を考えるための一般的な仕組みを説明するものです。個々の成分や研究条件での結果が、カラサポの完成配合の効果を直接示すわけではありません。当店では、こうした知見を参考にしながら、お客様の実際の髪と次回来店時の状態を見て施術を考えています。

よくある質問

白髪染めでも、明るい髪色でも相談できますか?

はい。白髪の量や希望の色、今の明るさを見ながらご相談できます。ナチュラルハーブカラー自体には髪を明るくする働きがないため、必要な部分にはアルカリカラーなどを組み合わせます。根元から毛先まですべて同じ方法で染めるとは限りません。

ハーブカラーなら、アレルギーの心配はありませんか?

ナチュラルハーブカラーはジアミンを含むため、ジアミンアレルギーの方には使用できません。メーカーは使用前に毎回48時間のパッチテストを案内しています。過去にカラーでかぶれたことがある方は、予約時に必ずお知らせください。髪の手触りと皮膚アレルギーは別の話です。

「髪質改善」「再生カラー」は、どんな意味ですか?

当店では、カラー方法の見直しと補修・保護、カットやホームケアの積み重ねによって、艶・やわらかさ・扱いやすさを整えていく考え方としてお伝えしています。生物学的に髪を新品へ戻すという意味ではありません。仕上がりや変化の感じ方は、髪質や施術履歴によって異なります。

どんなトリートメント水を使っていますか?

色を整える工程で髪のコンディションも考えられるよう、当店独自に複数の要素を組み合わせています。独自技術にあたる具体的な商材名、成分構成、濃度、配合比率、調合方法は公開していません。お客様には、ご自身の髪にどのような施術を選ぶのかをお伝えします。

カラサポ全体について知りたい方へ

カラサポの基本的な考え方、
白髪染めやハーブカラー、
実際の施術については
こちらのページでまとめています。


中津市の髪質改善カラー「カラサポ」について詳しく見る

あわせて読んでほしい記事

なぜ白髪染めを繰り返すと、
毛先ほど負担が重なりやすいのかについては
こちらで詳しく解説しています。


白髪染めを繰り返すと毛先がパサパサ・チリチリするのはなぜ?

実際に長期間カラーを続けているお客様の髪を見ながら、
カラサポ全体の考え方を知りたい方はこちらをご覧ください。


髪をできるだけ傷ませずカラーを続けるには?50代女性を3年間追った実例

まとめ|カラーを続ける髪だから、未来の毛先まで考えたい

ラフェでカラーをするとサラサラになると感じていただく背景には、毛先の不要な脱色を避けること、ハーブカラーの特性を生かすこと、トリートメント水と施術全体を工夫することが関係していると考えています。

施術当日の手触りだけでなく、次に来店されたときの毛先がどうなっているか。その確認を重ねることも大切にしています。ご自宅での乾かし方や、摩擦・熱への配慮も合わせて考えていきましょう。

年齢を重ねても、好きな髪色を楽しんでほしい

白髪を染めたい気持ちと、毛先の柔らかさや艶を大切にしたい気持ち。その両方に向き合える美容室でありたいと思っています。しっとりしたまとまりを求める方も、軽さやふんわり感を残したい方も、ご希望はそれぞれです。

年齢だけで方法を決めず、今の髪と、お客様がどんな仕上がりを心地よく感じるかを確かめる。ご自宅でも扱いやすく、次のカラーも楽しみにしていただける髪を、一緒に目指していきたいと思っています。

今日きれいに染まることと、半年後、一年後の髪を大切にすること。その両方を考えながら、好きな色を楽しんでいただきたいと思っています。

ご予約・カラーのご相談

白髪染めを続けながら毛先の手触りも大切にしたい方は、ラフェ・クレールの髪質改善カラー「カラサポ」をご覧ください。今までのカラーやブリーチ、縮毛矯正の履歴も伺い、ご希望に合う方法を一緒に考えます。

ご予約はお電話のみで承っています。
0979-53-9922
ラフェ・クレール|大分県中津市宮夫281-5

LINE・SNSからのご予約やお問い合わせは受け付けておりません。


この記事を書いた美容師

La Fee Claire(ラフェ・クレール)代表。

20歳から美容師として、
カラー、
くせ毛、
縮毛矯正、
年齢による髪質変化と向き合ってきました。

一回の施術直後だけではなく、
次回来店時、
半年後、
数年後の毛先まで確認しながら、
施術方法を検証しています。

この記事では、
当店での実際の施術経験と、
一般的な毛髪科学として研究されている内容を
同じものとして扱わないように分けて記載しています。

参考にした一次情報・研究

白髪染めを繰り返すと毛先がパサパサ・チリチリするのはなぜ?カラーを休んでも戻らない理由

「毎回トリートメントもしているのに、毛先だけパサパサする。」

「白髪染めを繰り返していたら、いつの間にか毛先がチリチリしてきた。」

「しばらくカラーを休めば、傷んだ髪も元に戻ると思っていた。」

美容室でカウンセリングをしていると、
こうしたお悩みを本当によく聞きます。

そして意外と知られていないのが、
「髪を染める時、髪の中では何が起きているのか」
という基本的な仕組みです。

先に結論からお伝えします。

白髪染めを含む一般的な酸化カラーは、
髪を染めるために髪をアルカリ側へ傾け、
キューティクルを膨らませ、
色の材料を髪の中へ入れます。

これは悪いことをしているのではありません。

白髪をしっかり染めたり、
髪色を明るくしたりするために必要な仕組みです。

問題は、
すでに何度もカラーや縮毛矯正を経験している毛先へ、
同じような負担を何度も重ねていくこと

です。

今回は、
実際のお客様の経過を見ながら、
できるだけ誰でも分かる言葉で説明します。

先に答え|なぜ毛先ほど傷みやすいの?

髪の毛を、
一本の長いひもだと思ってください。

根元にある髪は、
最近生えてきたばかりです。

でも毛先は、
何年も前に生えてきた髪です。

その間に、
カラー、
縮毛矯正、
ドライヤー、
アイロン、
紫外線、
ブラッシング、
洋服や枕との摩擦など、
いろいろなことを経験しています。

つまり、
根元と毛先は、同じ人の髪でも「今まで経験してきたこと」が違います。

だから私は、
根元と毛先を
同じ髪として考えていません。

アルカリカラーでは髪の中で何が起きる?

髪の表面には、
魚のうろこのように重なった
「キューティクル」
があります。

これは、
髪の中を守るための
小さな屋根のようなものです。

一般的な酸化カラーでは、
髪をアルカリ性に傾けることで、
このキューティクルを膨らませます。

そして、
染料や過酸化水素などが
髪の内部へ入りやすい状態を作ります。

とても簡単に言えば、

「色を髪の中へ入れるために、
一度、髪の扉を開けやすくする」

ようなイメージです。

この仕組みそのものが
酸化カラーの特徴です。

研究でも、
アルカリと酸化剤を使う永久染毛では
キューティクルが膨潤し、
染料の材料が毛髪内部へ入りやすくなることが報告されています。

また、
カラーを繰り返すことで、
キューティクルや毛髪内部の構造、
手触りや強度などに変化が生じることも報告されています。

ここは誤解してほしくありません。

「アルカリカラー=悪い」
と言っているわけではありません。

白髪をしっかり染める、
髪を明るくする、
色を大きく変えるためには、
酸化カラーだからできることがあります。

大切なのは、
すでに何度も薬剤処理されている毛先へ、
今回も同じ負担が本当に必要なのかを考えること

だと私は思っています。

「髪が溶ける」という表現について

カウンセリングでは、
「カラーで髪が溶けるんですか?」
と驚かれることがあります。

正確には、
髪が液体になって
本当に溶けてしまうという意味ではありません。

薬剤処理が強く重なった髪では、
水分を含んだ時に必要以上に柔らかくなり、
伸びやすく、
形が安定しにくくなることがあります。

美容師の現場では、
こうした状態を
「軟化しすぎている」
と表現することがあります。

髪が濡れた時は、
健康な髪でも乾いている時より柔らかくなります。

しかし、
強い化学処理が重なった髪では、
濡れた状態で非常に弱くなり、
摩擦や強いコーミングなどの力を受けると
さらに傷みやすくなります。

トリートメントをしていれば大丈夫?

ここも、
とても大切なところです。

今回ご紹介するお客様も、
カラーをするたびに
トリートメントなどへお金をかけ、
できるだけ髪を傷ませないようにしていたそうです。

でも、
髪は大きく傷んでいました。

だからといって、
「トリートメントは意味がない」
ということではありません。

トリートメントには、
髪の表面を整えたり、
摩擦を減らしたり、
手触りや指通りを改善したりする役割があります。

傷んだ髪には、
とても大切です。

ただし、
すでに起きてしまった酸化ダメージや
毛髪構造の変化を、

「健康だった頃の髪とまったく同じ状態へ戻す」

こととは別の話です。

毛髪は、
皮膚の傷のように
自分の力で生物学的に治っていく組織ではありません。

トリートメントで、
傷んだ部分を補い、
表面を整え、
扱いやすくすることはできます。

だから私は、

「傷ませてから毎回補う」だけではなく、
「次のカラーで必要以上の負担を増やさない」

という考え方も同じくらい大切だと思っています。

実例|カラーが怖くなり、約1年間カラーを休んだお客様

ここからは、
実際のお客様の経過です。

2026年2月。

インターネットで当店をかなり調べたうえで、
相談に来てくださいました。

過去には、
カラーリングと
リタッチの縮毛矯正を繰り返していました。

本人も髪の状態がおかしいことには
気づいていました。

カラーをすること自体が怖くなり、
ご来店までの約1年間、
カラーをほとんどせずに過ごしていました。

そのため根元はかなり伸びていました。

それでも、
すでに傷んでいた毛先は
元の状態には戻っていませんでした。

2026年2月の来店時。カラーを約1年間控えていましたが、すでに傷んでいた毛先には強いダメージが残っていました。

乾いた状態でも、
手触りはナイロンのようにギチギチしていました。

さらに濡らすと、
ゴムのように必要以上に伸び、
コームも簡単には通せないほど
非常にデリケートな状態でした。

私は、
今回の状態を
「縮毛矯正だけの失敗」
とは考えていません。

過去のカラーと縮毛矯正、
それぞれの薬剤履歴が重なった
複合的な化学ダメージ
として考えました。

特に、
カラーも矯正も
毛髪内部へ作用させるために
アルカリ性の薬剤を使用するケースがあります。

そこへ酸化処理、
熱、
摩擦、
コーミングなどの影響まで加われば、
もともと弱っている毛先は
さらに扱いが難しくなります。

研究で分かっていることと、今回の判断は分けて考えています。

研究では、
酸化染毛や縮毛矯正などの化学処理によって、
毛髪のキューティクルや内部構造、
強度などが変化することが報告されています。

一方で、
「今回のお客様のダメージの何%がカラーで、
何%が縮毛矯正だったのか」
まで科学的に測定したわけではありません。
ここは美容師として、
履歴・濡れた時の状態・手触り・毛髪の反応を見て判断しています。

まず「神の矯正」で形を整えた理由

この状態で、
私はすぐに
「カラサポだけで何とかしましょう」
とは考えませんでした。

毛先の形状と手触りが大きく乱れ、
毎日の扱いそのものが難しい状態だったからです。

そこで最初に、
神の矯正
で髪の形状と扱いやすさを整えることにしました。

2026年2月。神の矯正直後。見た目と手触りは大きく整いましたが、これで髪が健康毛へ戻ったという意味ではありません。

見た目も、
手触りも、
大きく改善しました。

ただし、
私はお客様へ
ここで終わりとは説明していません。


一度きれいに見える状態へ整えたからといって、
過去の損傷履歴まで消えたわけではないからです。

むしろ、
かなりデリケートな髪だからこそ、
ここからどうカラーを続けていくかが重要です。

そこで、

「これからはカラサポで、
カラーをしながら髪の状態を一緒に立て直していきましょう」

と提案しました。

お客様は、
「傷んでいるのにカラーをするんですか?」
と驚かれていました。

それも当然だと思います。

インターネットで調べれば、
傷んだ髪には
「カラーを控えましょう」
という情報がたくさん出てきます。

でも、
カラサポで私が考えているのは、
傷んだ毛先へ、また同じアルカリカラーを重ねることではありません。

8週ごとにカラサポ|2026年9月、4回目

このお客様には、
約8週間ごとのカラサポを提案しました。

年間で予約枠も確保していただき、
髪の状態を毎回確認しながら進めています。

もちろん、
8週間という周期が
すべてのお客様に正解という意味ではありません。

今回のお客様の
白髪の状態、
過去のダメージ、
毛先の反応、
日常のお手入れを見ながら決めた周期です。

そして2026年9月。

4回目のカラサポを行いました。

2026年9月 カラサポ4回目後のロングヘアを後ろから見た状態
2026年9月・後ろ正面。カラサポ4回目。何もつけずに仕上げた状態です。
2026年9月 カラサポ4回目後のロングヘアを右斜めから見た状態
2026年9月・右斜め。同じくスタイリング剤をつけていない状態です。

2026年2月に初めて触った時は、
本当に弱々しく、
濡れると必要以上に伸びる状態でした。

9月の時点では、
私が触っても
以前よりしなやかさを感じ、
扱いやすさもかなり変わってきました。

正直、
私自身もここまで来て
ようやく少し安心できました。

当店で使う「髪の体力」という言葉について

私はカウンセリングで、
「髪の体力が戻ってきた」
と表現することがあります。
これは髪が生物学的に生き返ったという意味ではありません。
濡れた時の伸び方、
手触り、
しなやかさ、
扱いやすさなどを美容師として総合的に見た表現です。

普通のカラーとカラサポは「色の作り方」も違います

ここは、
カウンセリングで説明すると
驚かれることがとても多い部分です。

お客様の中には、

「カラサポも、
毛先用の白髪染めのチューブを出して使っている」

と思っていた方がたくさんいらっしゃいました。

実際は違います。

一般的な酸化カラー

メーカーが、
「ブラウン」
「ベージュ」
「アッシュ」
などの色調をあらかじめ設計し、
チューブに入れて商品化します。

美容師は、
その中からお客様に合う色を選び、
必要に応じて複数の色を混ぜて使用します。

カラサポの毛先

「完成した白髪染めの色」を
チューブから出して使う考え方ではありません。

ハーブカラーにある
原色や補色などの粉末を使い、
そのお客様に必要な色味を
美容師が一から組み立てます。

つまり、
完成した色を選ぶというより、
その人の毛先に必要な色を作る

という考え方です。

カラサポでは、
基本的に毛先までカラーをします。

ここも、
少し不思議に感じるかもしれません。

「毛先が傷んでいるなら、
毛先は染めない方がいいのでは?」

と思いますよね。

でも、

「毛先まで染めること」と、
「根元と同じアルカリカラーを毛先まで重ねること」は、
私の中ではまったく同じではありません。

根元には根元の役割。

毛先には毛先の役割。

同じ頭の髪でも、
必要なものが違うからです。

具体的な配合や内部成分の組み立ては
ラフェ・クレール独自の技術のため公開していません。

ただ、
私が一番大切にしている考え方は
公開できます。

「今日だけきれいに染める」のではなく、
数年後の毛先を考えてカラーを組み立てること。

これがカラサポの中心にある考え方です。

3年間追った、もう一つの髪質改善記録

もう一人、
長期間追ってきたお客様をご紹介します。

この方は、
カラサポを確立する前から
私が担当していました。

だからこそ、
私は
「カットだけでどこまで変わったのか」
「カラーの考え方を変えてからどう変化したのか」
を長期間見ています。

2020年3月から、
髪質改善に取り組み始めました。

当初は、
カラーによるダメージなどが重なり、
髪の形状やまとまりが大きく乱れていました。

髪質改善カットは、
薬剤で髪を無理に伸ばす技術ではありません。

そのため、
すでに大きく傷んで変形している部分に対しては、
最初から劇的な変化が出たわけではありませんでした。

そこから、
根気よく髪質改善カットを続けながら、
カラーの方法も見直していきました。

新しく伸びてくる髪を
できるだけ余計に傷ませないようにしながら、
カラサポでカラーを続けていく。

2021年頃から、
少しずつ変化が
はっきり分かるようになりました。

そして2023年には、
本当に大きく印象が変わりました。

2020年3月から2023年まで髪質改善カットとカラサポを継続したお客様の髪質変化の記録
2020年3月から2023年までの経過。髪質改善カットとカラー方法の見直しを継続した、実際のお客様の髪質改善記録です。

このお客様から、
最初の頃に言われた言葉を
今でも覚えています。

「同世代できれいな髪の人を見るのも嫌。」

それくらい、
自分の髪がストレスになっていました。

でも、
髪が少しずつきれいになっていくと、
美容室から帰る時の足取りまで変わっていきました。

本当に、
ルンルンという言葉が合うような感じでした。

現在もご来店いただいていますが、
以前のように
髪そのものが大きなストレスになることは
ほとんどないそうです。

この変化を「カラサポだけの成果」とは言いません

ここは、
私がとても大切にしているところです。

この変化は、
カラサポだけで起きたとは考えていません。

このお客様の場合は、
髪質改善カットとカラー設計の両方
が大きく関係しています。

癖毛改善カットには、
髪の重なりや収まりを変えていく役割があります。

一方で、
定期的にカラーをしている方の場合、
毎回のカラーによって毛先へ負担を積み重ね続ければ、
カットだけできれいな状態を安定させるのは難しい。

私がそう考える理由は、
カラサポを確立する前から
このお客様を担当し、
経過を長期間見続けてきたからです。

では、白髪染めをやめれば髪は元に戻るの?

今回の2026年2月のお客様は、
カラーが怖くなり、
約1年間カラーを控えていました。

それでも、
すでに傷んでいた毛先は
元の健康毛には戻っていませんでした。

これは、
髪の毛が皮膚の傷のように
自分自身で生まれ変わる組織ではないからです。

新しく生えてくる髪は
新しい髪です。

でも、
すでに毛先にある髪は、
その毛先のままです。

だから私は、

「傷んだから全部やめる」
だけではなく、
「これから生えてくる髪と、今ある毛先をどう扱うか」

を一緒に考えます。

髪をきれいにしたい方へ伝えたいこと

白髪を染めたい。

髪色も楽しみたい。

縮毛矯正も必要。

でも、
髪はきれいにしていきたい。

私は、
この希望は矛盾しているとは思っていません。

ただし、
すべてを同じ薬、
同じ考え方、
同じ強さで繰り返せばいいとは思っていません。

根元と毛先では、
これまでの履歴が違います。

健康な髪と、
何度もカラーや矯正を経験した髪では、
同じ施術をしても反応が違います。

だから、
今だけを見るのではなく、
数年先の毛先まで考える。

その考え方から作ってきたのが、
ラフェ・クレールの
「カラサポ」
です。

「できるだけ髪を傷ませずにカラーを続ける」
という当店の考え方については、
こちらの記事でも詳しく紹介しています。


髪をできるだけ傷ませずカラーを続けるには?50代女性を3年間追った実例

縮毛矯正については、
こちらをご覧ください。


ラフェ・クレール「神の矯正」

髪質改善カットについては、
こちらをご覧ください。


ラフェ・クレールの髪質改善カット

ご予約について

ラフェ・クレールのご予約は、
お電話のみ
で承っています。


0979-53-9922

LINE・SNSからのご予約やお問い合わせは
受け付けておりません。

髪の履歴が複雑な方、
カラーや縮毛矯正によるダメージで
どうしたらよいか分からなくなっている方も、
現在の髪を確認したうえで
できること・できないことをお伝えします。


美容師の方へ|カラサポについて

カラサポは、
ラフェ・クレールだけの施術として終わらせるのではなく、
カラー判断を仕組みにしていくための開発も続けています。

既製の完成色を選ぶだけではなく、
髪の履歴や毛先の状態に合わせて
色と施術設計を組み立てる。

その判断を
オーナーやベテラン一人だけの感覚にしないことも、
カラサポ事業の目的の一つです。


美容師向け「カラサポ」について詳しく見る


この記事を書いた美容師

La Fee Claire(ラフェ・クレール)代表。

20歳から美容師として、
カラー、
くせ毛、
縮毛矯正、
年齢による髪質変化と向き合ってきました。

一回の施術直後だけではなく、
次回来店時、
半年後、
数年後の髪まで記録しながら
施術方法を検証しています。

この記事で紹介した症例も、
実際に当店で継続して担当しているお客様の記録です。

参考にした毛髪研究

この記事の科学的な説明は、
当店の経験だけで断定せず、
毛髪の酸化染毛・アルカリ処理・縮毛矯正・毛髪損傷について報告された研究やレビューも確認したうえで記載しています。

・Mechanisms of impairment in hair and scalp induced by hair dyeing and perming and potential interventions

・Quantifying the effects of repeated dyeing: Morphological, mechanical, and chemical changes in human hair fibers

・On Hair Care Physicochemistry: From Structure and Degradation to Novel Biobased Conditioning Agents

・Effect of equilibrium pH on the structure and properties of bleach-damaged human hair fibers

なお、
研究で分かっている一般的な毛髪の性質と、
ラフェ・クレールで実際のお客様を観察して得た判断は、
同じものとして扱わないよう区別して記載しています。