ラフェ・クレールでカラーをしたお客様から、なぜか髪がサラサラになると感じていただくことがあります。色だけでなく、触れたときの違いにも気づいていただけるのは、美容師としてうれしいことです。
その背景には、毛先に必要以上の脱色を繰り返さないこと、ハーブカラーの特性を生かすこと、独自のトリートメント水と施術設計を組み合わせることが関係していると考えています。
大分県中津市のラフェ・クレールでは、髪質改善カラー「カラサポ」を通して、カラーをする時間そのものを、これからの毛先を考える時間にしたいと思っています。今回は、サラサラ感や艶・まとまりを大切にする理由を、日々の接客経験と毛髪の仕組みからお話しします。

先に答え|サラサラ感には、髪の表面と施術の組み合わせが関係します
指がすっと通ること、毛先がやわらかく感じられること、乾かした髪がまとまること。お客様が感じる「サラサラ」は、こうしたいくつかの感覚が重なったものだと思います。
髪の外側には、うろこ状に重なる「キューティクル」があります。花王の毛髪構造の解説や毛髪表面の補修技術に関する研究紹介では、表面の状態がなめらかさや指通りに関わることが説明されています。表面をコンディショニングし、髪同士の摩擦や引っかかりを抑えることは、扱いやすさを考えるうえで大切です。
手触りと艶は、つながっていても同じものではありません
艶は光の反射によって見えます。花王の「髪のツヤ」の解説によると、表面がなめらかで毛流れがそろうと、反射光がきれいに並びます。乾かし方や髪のうねりも、艶の見え方に関わります。
だから当店では、色の仕上がりと一緒に、指通りや毛先の収まりも見ています。カラー剤だけでなく、髪の状態に合わせた塗り分け、補修・保護、仕上げまでをひと続きの施術として考えています。
理由①|必要以上の脱色を毛先へ繰り返さない
アルカリカラーは、髪を明るくできる大切な技術です
一般的なアルカリカラーは、染料やアルカリ剤を含む1剤と、過酸化水素を含む2剤を混ぜて使います。アルカリ剤が髪を膨らませて成分を入りやすくし、過酸化水素が髪の色素であるメラニンを脱色すると同時に、染料の発色を助けます。
これは、黒い髪を明るくしながら好みの色を表現できる、有用な仕組みです。ラフェ・クレールでも、根元に明るさが必要なときなどにはアルカリカラーを使っています。仕組みは日本化粧品工業会のヘアカラー解説、1剤・2剤の構成や毛髪への影響はデミ コスメティクスの研究紹介でも確認できます。
根元と毛先では、今回必要な仕事が違います
一方、以前のカラーで十分に明るくなった毛先を、少し落ち着いた色にしたい場合はどうでしょう。必要なのは、さらに明るくすることよりも、今ある明るさを利用して色味や濃さを整えることです。
明るくする必要がある部分には、そのためのカラーを。色を補うことが必要な部分には、その目的に合ったカラーを。この使い分けがカラサポの土台です。毛先に脱色を伴う酸化処理を重ねすぎない選択が、これからの手触りを大切にすることにつながると考えています。
カラサポ公式サイトでも、繰り返すカラーによる毛先の負担への問題意識と、根元のアルカリカラー・毛先のハーブカラーを組み合わせる考え方を紹介しています。希望色、現在の明るさ、過去の施術履歴をもとに配合を考え、その判断を再現しやすくする仕組みまで含めたものがカラサポです。
塗り分けの具体例は、白髪染めで根元と毛先の薬剤を使い分ける理由でもご紹介しています。
理由②|ナチュラルハーブカラーで毛先のコンディションも考える
当店が毛先の色を整える選択肢として使うナチュラルハーブカラーは、粉末タイプの染毛剤です。複数の色を組み合わせて、お客様の希望と今の髪色に合わせた色を作ります。
メーカー公式の製品説明では、アルカリ剤・過酸化水素を使用せず、植物性タンパク質による毛髪ケアや、ハーブによるうるおい・ツヤへの配慮が紹介されています。当店はこの製品の特徴を、毛先を染めながらコンディションも考えるために生かしています。
ただし、髪を脱色して明るくする「トーンアップ」はできません。これは、明るさが足りている毛先の色を整えたい場面では選ぶ理由になりますが、これから明るくしたい髪には別の方法が必要です。
一般的なアルカリカラー、ナチュラルハーブカラー、カラサポは、同じ種類のものを並べた優劣の比較ではありません。前の2つは染毛剤の特徴、カラサポはそれらを髪の場所や状態に合わせて組み合わせる施術の考え方です。
理由③|ラフェ・クレールは、混ぜる水と施術全体にこだわっています
接客の中で驚いたのは、当店のカラーも、チューブからカラー剤を出して混ぜるだけだと思われているお客様が多かったことです。普段見えにくい調合の工程までは、十分にお伝えできていなかったのだと思います。
実際には、毛先に使うハーブカラーの色を粉末から組み立て、水分を加えて塗りやすいペースト状にしています。カラサポには通常の配合に加え、当店で「再生カラー」と呼んでいる独自配合があります。この独自配合では、粉末に加える水分にも、当店独自のトリートメント水を使っています。

なお、メーカーの標準レシピも専用のO2ウォーターを使う設計です。一般的なハーブカラーは必ず水道水で作る、という意味ではありません。メーカーの製品設計と、当店独自のトリートメント水・施術上の工夫は分けてお伝えしています。
当店が大切にしているのは、色を作る工程から、指通り・やわらかさ・まとまりにも向き合うことです。複数の補修・保護の要素を組み合わせ、摩擦や引っかかりが気になる毛先のコンディションを整えることを目指しています。水だけをサラサラ感の原因と考えるのではなく、薬剤の選択や塗り分けと合わせて設計しています。
この独自配合は、色がきれいに出るか、仕上がりが硬くならないか、柔らかさや艶はどうか、繰り返し施術した毛先はどう変わるかを見ながら工夫してきました。大切なのは、成分の名前よりも、染めた色を楽しみながら毎日の髪を扱いやすくしていくことです。
ダメージ履歴のある毛先を、処理環境から考える
この独自配合では、毛先を毛髪に配慮した弱酸性領域で扱う設計も大切にしています。pHは酸性・アルカリ性の度合いのことです。ブリーチ毛を異なるpH環境で比較した2020年の毛髪研究では、条件によってタンパク質の状態や水分の取り込み方などが変わることが報告されています。これは、毛先を扱う環境にも目を向けるための一般的な知見です。
調合の工程については、ラフェ・クレールが「混ぜる水」にまでこだわる理由で詳しくご紹介しています。
言葉だけでは伝わりにくかった、カラーの工夫
当店のカラーをよく理解してくださっていた常連のお客様が、博多へ引っ越されたことがありました。移転先の美容室で当店のカラーについて説明したものの、うまく伝わらず、信用してもらえなかったと感じた、というお話を伺いました。
そのお話から私が感じたのは、施術方法を言葉だけで伝える難しさです。「ハーブカラーを使う」「トリートメントを混ぜる」という説明だけでは、どの部分に何を使い、今の明るさや履歴をどう見ているのかまでは伝わりません。
美容師によって扱う薬剤や施術の組み立て方はさまざまです。だからこそ、当店でも仕上がりを感じていただくだけでなく、何を大切にしているのかを分かりやすくお伝えしたいと思いました。
「トリートメント付きカラー」との違いは?
トリートメントによる指通りやまとまりのケアも大切です。そのうえでカラサポでは、まず今回の髪に必要なカラー処理を見極めます。不要な負担を増やさない工夫と、毛先を整える工夫を一緒に考える。そこを施術の出発点にしています。
毛髪研究と、当店での施術経験の関係
この記事の毛髪研究は、手触りや艶を考えるための一般的な仕組みを説明するものです。個々の成分や研究条件での結果が、カラサポの完成配合の効果を直接示すわけではありません。当店では、こうした知見を参考にしながら、お客様の実際の髪と次回来店時の状態を見て施術を考えています。
よくある質問
白髪染めでも、明るい髪色でも相談できますか?
はい。白髪の量や希望の色、今の明るさを見ながらご相談できます。ナチュラルハーブカラー自体には髪を明るくする働きがないため、必要な部分にはアルカリカラーなどを組み合わせます。根元から毛先まですべて同じ方法で染めるとは限りません。
ハーブカラーなら、アレルギーの心配はありませんか?
ナチュラルハーブカラーはジアミンを含むため、ジアミンアレルギーの方には使用できません。メーカーは使用前に毎回48時間のパッチテストを案内しています。過去にカラーでかぶれたことがある方は、予約時に必ずお知らせください。髪の手触りと皮膚アレルギーは別の話です。
「髪質改善」「再生カラー」は、どんな意味ですか?
当店では、カラー方法の見直しと補修・保護、カットやホームケアの積み重ねによって、艶・やわらかさ・扱いやすさを整えていく考え方としてお伝えしています。生物学的に髪を新品へ戻すという意味ではありません。仕上がりや変化の感じ方は、髪質や施術履歴によって異なります。
どんなトリートメント水を使っていますか?
色を整える工程で髪のコンディションも考えられるよう、当店独自に複数の要素を組み合わせています。独自技術にあたる具体的な商材名、成分構成、濃度、配合比率、調合方法は公開していません。お客様には、ご自身の髪にどのような施術を選ぶのかをお伝えします。
カラサポ全体について知りたい方へ
カラサポの基本的な考え方、
白髪染めやハーブカラー、
実際の施術については
こちらのページでまとめています。
あわせて読んでほしい記事
なぜ白髪染めを繰り返すと、
毛先ほど負担が重なりやすいのかについては
こちらで詳しく解説しています。
実際に長期間カラーを続けているお客様の髪を見ながら、
カラサポ全体の考え方を知りたい方はこちらをご覧ください。
髪をできるだけ傷ませずカラーを続けるには?50代女性を3年間追った実例
まとめ|カラーを続ける髪だから、未来の毛先まで考えたい
ラフェでカラーをするとサラサラになると感じていただく背景には、毛先の不要な脱色を避けること、ハーブカラーの特性を生かすこと、トリートメント水と施術全体を工夫することが関係していると考えています。
施術当日の手触りだけでなく、次に来店されたときの毛先がどうなっているか。その確認を重ねることも大切にしています。ご自宅での乾かし方や、摩擦・熱への配慮も合わせて考えていきましょう。
年齢を重ねても、好きな髪色を楽しんでほしい
白髪を染めたい気持ちと、毛先の柔らかさや艶を大切にしたい気持ち。その両方に向き合える美容室でありたいと思っています。しっとりしたまとまりを求める方も、軽さやふんわり感を残したい方も、ご希望はそれぞれです。
年齢だけで方法を決めず、今の髪と、お客様がどんな仕上がりを心地よく感じるかを確かめる。ご自宅でも扱いやすく、次のカラーも楽しみにしていただける髪を、一緒に目指していきたいと思っています。
今日きれいに染まることと、半年後、一年後の髪を大切にすること。その両方を考えながら、好きな色を楽しんでいただきたいと思っています。
ご予約・カラーのご相談
白髪染めを続けながら毛先の手触りも大切にしたい方は、ラフェ・クレールの髪質改善カラー「カラサポ」をご覧ください。今までのカラーやブリーチ、縮毛矯正の履歴も伺い、ご希望に合う方法を一緒に考えます。
ご予約はお電話のみで承っています。
0979-53-9922
ラフェ・クレール|大分県中津市宮夫281-5
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この記事を書いた美容師
La Fee Claire(ラフェ・クレール)代表。
20歳から美容師として、
カラー、
くせ毛、
縮毛矯正、
年齢による髪質変化と向き合ってきました。
一回の施術直後だけではなく、
次回来店時、
半年後、
数年後の毛先まで確認しながら、
施術方法を検証しています。
この記事では、
当店での実際の施術経験と、
一般的な毛髪科学として研究されている内容を
同じものとして扱わないように分けて記載しています。


